手術後の注意点

手術後の注意点と手術のリスク

リスク痛みや出血、めまい、頭痛など、手術後には不快な症状が現れる可能性があります。また、手術自体にもまれですがリスクが存在します。当院では事前診察の際にこうした情報をわかりやすく患者様にご説明しています。

手術後に起こる可能性がある症状

痛み

数日から1週間程度、生理痛程度の痛みが生じることがあります。これは手術後に子宮が元の大きさに戻ろうと収縮するために起こります。回復につながる痛みですが、強い痛みは回復を妨げますので、麻酔覚醒後に痛みが気になる場合には痛み止めの点滴を行っています。また、痛み止めを処方しますので、ご帰宅後はそれで十分な疼痛管理をしていただけます。

出血

1週間から10日程度、生理の時のような出血が続きます。生理2日目程度の出血がある方からおりもの程度で終わってしまう方など量などには個人差がありますが、出血が多い場合でもほとんどは数日で出血量が減少しはじめます。数日してからかたまりが出る、おりものに少量の血液が混ざる状態が2週間ほど続くなど、期間だけでなく内容もさまざまですが、出血量が多くない限り心配はありません。

気持ち悪い、ぼんやりする

麻酔によって起こる気持ちが悪い・ぼんやりする症状がご帰宅後もしばらく続くことがありますが、ほとんどは翌朝には治まっています。

めまい、頭痛

めまいは麻酔が効きやすい方に起こりやすい傾向がありますが、それほど多くの方に出る症状ではありません。まためまいがあった場合も、覚醒後30分程度で解消に向かいます。めまいがある時には無理してお一人でトイレなどに行かないようにしましょう。できればしばらく眠って回復に努めてください。手術後にはふらつきが出る可能性がありますので、当日の運転は厳禁です。ご帰宅時はできれば付き添いの方がいると安心です。付き添いの方にお迎えに来てもらう場合、15時頃が目安のご帰宅時間になります。

ムカムカする、嘔吐

当院では吐き気が起こりにくい麻酔薬を用いており、術後の点滴に吐き気止めを入れているため、吐き気を訴える方がとても少なくなっています。麻酔が効きやすい方に起こりやすい傾向がありますが、30分程度で治まっていきます。吐き気がある場合、術後の飲食をしばらく控え、吐き気が治まってから口にするようにしましょう。

逆行性健忘

ごくまれにしか起こらない症状です。麻酔薬が身体に入ってからのことを忘れてしまうという症状で、手術後しばらく「話をしたはずだけれど覚えていない」状態になることがあります。ほとんどは30分程度で解消します。あまり不安に感じるとこした症状が出やすくなるため、すぐに回復することをあらかじめご理解いただくことが有効です。

PTSD(心的外傷ストレス)

人工妊娠中絶手術による心の病気、PTSD(心的外傷ストレス)を発症する方がいます。中絶手術による感情の抑圧により発症したPTSDはPAS(中絶後遺症候群)と呼ばれています。当院は、安全な手術を提供することはもちろん、中絶後の女性のお気持ちに寄り添い安心して相談いただける環境を整えております。お気軽にご相談ください。

手術のリスク

注意熟練した母体保護法指定医による手術では下記のような合併症によるリスクはとてもまれにしか起こりませんが、可能性はゼロではありません。当院では患者様にこうしたリスクをしっかりご理解いただくインフォームドコンセントを重視しており、わかりやすい説明を心がけています。
なお、当院では長きにわたって多数の手術を行ってきていますが、これまで深刻な合併症やトラブルを起こしたことはありません。

繊毛遺残

中絶手術は目で見て確認しながら行うものではありません。繊毛遺残は中絶手術できれいに取り除く必要がある組織を一部取り残してしまう状態で、かなり経験豊富な産婦人科ドクターでも起こしやすいとされています。特に子宮奇形や子宮疾患で変形や圧迫がある場合にリスクが高くなるとされています。
当院では術前に超音波検査で子宮の状態を詳細に確認し、手術では超音波ガイドを用いて吸引法で除去した後、鉗子やスプーン上のキュレットによって細かい内容物まできれいに取り除いて確認しています。また、手術直後だけでなく、術後に受けていただく2回の診察でも内診を行って遺残の防止に努めています。

感染症

中絶手術では子宮頚管が拡張しているため感染リスクが高い状態ですが、クリーンな手術室で手術を行い、適切な殺菌消毒を行った器具を用いることで感染症リスクを最小限にしています。ただし、クラミジア感染などがあると中絶手術による骨盤腹膜炎などを起こすリスクが高くなってしまいます。当院では事前におりもの検査も行うことでクラミジア感染の有無を調べており、陽性の場合には抗生剤を事前に投与することでリスクを低減させています。感染症が起こってしまった場合には、一般的に発熱や子宮の痛みなどの症状が起きます、検査をすると白血球の急激な上昇が確認できますので、感染症の発症、あるいはその可能性がある場合には適切な抗生剤の投与を行います。

子宮頚管損傷

急に子宮頚管を拡張してしまう、あるいは未熟なドクターが鉗子などの器具取り扱いでミスをして起こるケースがほとんどです。手術直後は症状が現れなくても、次回の妊娠時に子宮頚管無力症を起こす可能性があるため、注意が必要な合併症だと言えます。
日本産婦人科医会やWHOは、急激な頸管拡張を避ける事前処置を推奨しており、当院でも必要があるケースではこれを行っています。手術の数時間前にラミセルという直径3ミリ程度のスポンジ状のものを挿入し、ラミセルが水分を吸収しながら徐々に広がっていって必要な分の拡張を起こすものです。痛みが起こらないように細心の注意を払って処置し、それでも痛みが気になる方には事前に痛み止めを入れることも可能です。生理痛程度の痛みですが、ご不安があれば事前にご相談ください。

子宮穿孔

子宮に穴が開いてしまう合併症で、ほとんど起こることはなく、発生は極めてまれです。

出血

ほとんど起こることのない合併症として、大量出血があります。子宮頚管の損傷、血液凝固障害、子宮穿孔によって起こりますが、可能性がゼロではないという程度です。出血自体はよくある術後の症状ですが、大量の出血が続くことはほとんどなく、数日程度で減っていきます。

注意点やリスクについて

どんな手術にもリスクの可能性はあります。ただし、まれにしか起こらないことをあまり気に病んでしまうとそれがストレスになって回復を遅らせてしまいます。術後に安静を保つ、その後の制限を守ることを心がけ、リラックスして過ごしてください。
当院で開院以来行ってきた中絶手術後に重篤な症状を現したケースはありませんが、起こる可能性がゼロではないものはすべてすぐに適切な対応ができる体制を作っています。症状で気になることがありましたら、迷わずご連絡ください。

TEL.03-3351-3610 中絶インターネット相談
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