目次
- 正常な生理周期とは?どのくらい生理が来ないと異常?
- 生理が来ないとき最初に確認すること・受診目安
- 【妊娠の可能性がある場合】1週間遅れたら受診
- 【病気の可能性がある場合】強い症状がある場合はすぐ受診
- 【その他の場合】1〜3ヶ月以上来ない場合は受診
- 妊娠以外で生理が来ないときに考えられる原因
- 女性ホルモン分泌の不安定さ
- 急激なダイエット
- ストレス
- 無排卵
- 閉経前後
- 病気
- 生理が来ないときに考えられる病気
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
- 甲状腺の病気
- 高プロラクチン血症
- 生理が来ないときに婦人科で行う診察・検査
- 問診
- 超音波検査(エコー検査)
- 血液検査
- 妊娠反応検査
- 画像検査
- 生理が来ない・生理不順についてのよくある質問
- まとめ
「いつもなら来るはずの生理がない」「もしかして妊娠?」「病気だったらどうしよう」と不安を感じていませんか?
生理が遅れる原因は妊娠だけではなく、ストレスや生活習慣の変化、ホルモンバランスの乱れ、病気などさまざまです。
生理が1週間程度遅れることは珍しくなく、たまにずれる程度であれば基本的には問題ありません。
しかし、「妊娠の可能性があるなら1週間程度」、「妊娠の可能性がない場合でも1〜3ヶ月程度」生理が来ない場合は、一度産婦人科の受診を検討する必要があります。
この記事では、生理が来ないときの原因や受診目安、妊娠の可能性、検査のタイミングについてわかりやすく解説します。
正常な生理周期とは?どのくらい生理が来ないと異常?

生理は期間も間隔も人によってバラバラですが、正常かどうかの基準は存在します。
日本産科婦人科学会の定義では、生理周期は25〜38日、生理期間は3〜7日が正常な生理の目安とされています。
| 生理不順の種類 | 周期の日数 | 状態 |
|---|---|---|
| 頻発月経 | 24日以下 | 周期が短すぎる |
| 正常 | 25〜38日 | 正常な範囲 |
| 稀発月経 | 39日以上〜89日 | 周期が長すぎる |
| 続発性無月経 | 90日以上 | 速やかな受診が必要 |
(参考:公益社団法人日本産科婦人科学会『正常な生理(月経)の目安を教えてください!』)
生理周期が多少前後することは珍しくなく、1週間程度の遅れだけで異常とは限りません。
特に10代はホルモン分泌が安定しておらず、周期が乱れやすい傾向があります。
生理が来ないとき最初に確認すること・受診目安

生理が遅れたとき、まず重要なのは「妊娠の可能性があるか」を確認することです。そのうえで、生活習慣やストレス、体調変化などを振り返る必要があります。
下表で大まかな点を確認し、該当するケースに沿って次の行動に移りましょう。
| 状態 | 受診目安 |
|---|---|
| 1週間程度の遅れ | 妊娠可能性があれば検査が必要 |
| 1〜3ヶ月以上の遅れ | 一度産婦人科の受診を推奨(3ヶ月以上は無月経として検査が必要) |
| 強い腹痛・出血を伴う | 早めの受診が必要 |
【妊娠の可能性がある場合】1週間遅れたら受診
普段の月経周期がある程度安定している方で、生理予定日から1週間以上経過しても出血が始まらない場合、妊娠の可能性が考えられます。
避妊をしていても100%防げる方法は存在しないため、性交渉の心当たりがある方はまず妊娠検査薬で検査し、陽性反応が出たら産婦人科を受診しましょう。
妊娠検査薬を使用するタイミング
一般的な妊娠検査薬は、生理予定日から1週間後以降の使用が推奨されています。
妊娠時に分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が、検査薬で検出可能な濃度(おおむね50mIU/mL)まで上昇するのが妊娠4〜5週頃にあたるためです。
早すぎる使用は陰性と判定されるリスクがあるため、適切な時期まで待つほうが結果も安定します。
生理が遅れる以外の妊娠の初期症状
個人差が大きいものの、妊娠初期には、生理の遅れ以外にも以下のようなさまざまな変化が現れることがあります。
- おりものが増える
- 胸が張る
- 強い眠気、だるさがある
- 吐き気がある
- 少量の出血がある(着床出血)
- においに敏感になる
- 基礎体温の高温期が続く、微熱が続く
- 食欲が変化する
- 頻尿になる など
【病気の可能性がある場合】強い症状がある場合はすぐ受診
生理が来ないだけでなく、強い腹痛や大量出血、吐き気、発熱などがある場合は、緊急性の高い疾患が隠れている恐れがあるため、すぐに医療機関を受診しましょう。
強い症状がない場合も、過去に婦人科疾患にかかったことがある方や、検査で異常やリスクを指摘された方は、早めの相談が大切です。
【その他の場合】1〜3ヶ月以上来ない場合は受診
性交渉の心当たりがなく、強い症状もない場合でも、目安として1〜3ヶ月以上来ない場合は一度受診を検討しましょう。
正常は生理周期は25〜38日なので、39日以上生理が来ない場合は、「稀発月経」になります。
3ヶ月以上生理が止まっている場合は「続発性無月経」と呼ばれ、ホルモンバランスの乱れやストレス、病気が関係している可能性があります。
無月経を放置すると、将来的な不妊や骨密度低下につながることもあるため注意が必要です。
普段から生理不順だと慣れてしまい放置する方もいますが、身体からのSOSサインの可能性があるため、周期の乱れが続いている場合は、早めに産婦人科で相談しましょう。
妊娠以外で生理が来ないときに考えられる原因

生理が来ない原因は妊娠だけではなく、生活習慣やストレス、年齢による変化などによって生理周期が乱れることがあります。
特に「以前は規則的だったのに急に乱れ始めた」「何ヶ月も来ない状態が続く」という場合は注意が必要です。なんらかの病気が隠れているケースもあるため、変化を放置しないようにしましょう。
ここでは、妊娠以外で生理が来なくなる代表的な原因について解説します。
女性ホルモン分泌の不安定さ
生理はエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンによって起こりますが、分泌が不安定だと生理周期が安定しないことがあります。
特に10代は子宮や卵巣の機能が未熟なため、生理周期が安定しないケースも少なくありません。
急激なダイエット
短期間の減量も、無月経を招く代表的な原因の一つです。
体重が急激に減ったり体脂肪率が極端に下がったりすると、脳が「飢餓状態」と判断して女性ホルモンの分泌を抑制し、生命維持を優先するために生理を止めてしまうことがあります。
10代や20代の若い方の場合、短期間の減量が原因になっているケースも少なくありません。
ストレス
ストレスがかかると、脳の視床下部が影響を受け、排卵をコントロールするホルモン分泌が乱れて、生理不順につながります。
ストレスを完全に避けることは難しいものの、十分な睡眠、適度な運動、リラックス時間の確保、悩みを誰かに話すなど「ためこまない仕組み」を持つことが大切です。
無排卵
無排卵とは、月経のような出血はあっても実際には排卵が起こっていない状態のことで、「無排卵月経」とも呼ばれます。
月経自体は来るため気づきにくいのが特徴で、初経後まもない10代やストレス・ダイエットの影響を受けやすい20〜30代、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が背景にある方などに多くみられます。
排卵が起こらない状態が続くと、エストロゲン不足による骨密度の低下、子宮内膜が厚くなることによる子宮体がんリスクの上昇、将来の不妊につながる可能性があり、注意が必要です。
閉経前後
40代以降では、閉経に向けて女性ホルモンが大きく変化し、生理周期が乱れやすくなります。これは更年期に入る前段階としてよくみられる変化です。
ただし、40歳未満で生理が止まる「早発閉経(早発卵巣不全)」の場合は注意が必要で、エストロゲン分泌がなくなることで病気のリスクが高まるため、治療が検討されます。
病気
生理が止まる背景に、婦人科疾患や甲状腺疾患が潜んでいることもあります。
代表的な疾患としては、次のようなものが挙げられます。
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
- 甲状腺機能の異常(バセドウ病・橋本病など)
- 高プロラクチン血症・プロラクチノーマ
- 早発卵巣不全 など
詳しい疾患については、次の項目で解説します。
生理が来ないときに考えられる病気

生理が来ない状態が続く場合、背景に病気が関係していることがあります。特に周期の乱れが長引く場合や、不正出血・体重変化・強い疲労感などを伴う場合は注意が必要です。
ここでは、生理が来ないときに考えられる主な病気を紹介します。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵巣内で男性ホルモンが過剰につくられ、排卵がうまくいかなくなる疾患で、妊娠可能な年齢の女性の約5〜10%に見られます。
月経不順や無月経、不妊だけでなく、ニキビ・多毛・肥満などの症状もあわせて見られることが特徴です。
放置すると将来的に子宮体がんや糖尿病、脂質異常症のリスクが高まるため、生理不順が続く方は妊娠希望の有無にかかわらず婦人科で相談しましょう。
甲状腺の病気
甲状腺ホルモンが過剰または不足すると、生理周期の乱れにつながります。
中でも女性に多いバセドウ病(機能亢進症)と橋本病(機能低下症)は、いずれも生理不順や無月経、不妊の原因になることがある病気です。
| 病気 | 主な全身症状 |
|---|---|
| バセドウ病(甲状腺機能亢進症) | 動悸・体重減少・発汗・手の震え |
| 橋本病(甲状腺機能低下症) | 倦怠感・むくみ・体重増加・寒がり |
高プロラクチン血症
プロラクチンは本来、出産後に母乳分泌を促すホルモンですが、妊娠・授乳期以外でプロラクチン値が高くなると、脳が「授乳中」と勘違いして排卵を止め、生理が止まる状態を引き起こします。
これが高プロラクチン血症と呼ばれる疾患で、無月経女性の約2割にみられるとの報告もあり、決して珍しい病気ではありません。
高プロラクチン血症の原因としては、服用している薬剤の影響、甲状腺機能低下、下垂体腫瘍などが考えられます。
生理が来ないときに婦人科で行う診察・検査

婦人科では、生理が来ない原因を確認するためにさまざまな診察や検査を行います。
検査内容は年齢や症状、妊娠の可能性によって異なりますが、性交渉の経験がない方や思春期の方には経腹超音波(お腹の上から当てるエコー)で対応するなど、患者様の状況に合わせた配慮が一般的です。
ここでは、生理が来ない場合に婦人科で行われる代表的な検査内容を紹介します。
問診
問診では、生理が来ない原因を確かめるため、生理周期や症状、生活習慣などについて確認します。
事前に以下のような情報を用意しておくとスムーズでしょう。
- 初経年齢、これまでの月経周期
- 最後に生理があった日(最終月経)
- 妊娠・出産の経験、性交渉の有無
- 服用中の薬・既往歴
- 体重の変化、ダイエットの有無
- ストレス、運動量、睡眠状況
- 基礎体温の記録(つけている方)
超音波検査(エコー検査)
超音波検査は、妊娠や異常・病気がないかを調べるため、子宮や卵巣の状態を確認する検査です。
プローブをお腹の上から当てる「経腹超音波」と、膣内に細い器具を挿入する「経膣超音波」の2種類があり、患者様の状況に応じて使い分けます。
血液検査
血液検査は、女性ホルモンや甲状腺ホルモン、下垂体ホルモンなどの数値を調べる検査です。
ホルモン異常が原因となる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や高プロラクチン血症などがないかを確認します。
妊娠反応検査
妊娠の可能性がある場合には、他の検査に先立って妊娠反応検査(尿検査)が行われるのが一般的です。
画像検査
超音波検査や血液検査でなんらかの病気の疑いがあった場合は、より詳しく調べるためにMRIやCTなどが行われることがあります。
(※当院ではMRI・CTは実施していないため、必要な場合は他院への紹介となります)
生理が来ない・生理不順についてのよくある質問

ここでは、患者様から多く寄せられる疑問をQ&A形式で紹介します。
生理が来ないのを放置するとどんなリスクがありますか?
A. 生理が来ない状態を放置すると、将来の不妊、骨粗鬆症による骨折リスク増加、子宮体がんのリスク上昇など多くのリスクが考えられます。
「痛みがないから大丈夫」「いつも生理不順だし」と放置せず、原因を確かめるためにも一度産婦人科で相談しましょう。
2ヶ月生理が来ない場合は婦人科を受診した方がいいですか?
A. 2ヶ月以上生理が来ない場合は、一度婦人科を受診することをおすすめします。
一時的なホルモンバランスの乱れであれば自然に戻ることもありますが、何らかの病気が背景にある可能性もゼロではありません。
特に以前は規則的だった方が急に来なくなった場合は注意が必要です。早めに原因を確認することで、将来的なトラブル予防につながります。
まとめ
生理が来ない原因は、妊娠だけではなく、ストレスや生活習慣の乱れ、ホルモン異常、婦人科疾患などさまざまです。
1週間程度の遅れは珍しくありませんが、妊娠の可能性がある場合や、1〜3ヶ月以上来ない場合は、一度産婦人科で相談してみましょう。
無月経を放置すると、妊娠しにくくなってしまう可能性があるため、「そのうち来るだろう」と自己判断せず、身体からのサインを見逃さないことが大切です。
新宿区四谷三丁目駅の高村医院では、生理不順・不妊治療・性感染症の検査や治療・ピル処方・人工妊娠中絶手術など幅広い産婦人科の診療に対応しています。
日本産婦人科学会専門医の院長が、お一人おひとりの不安にじっくり寄り添った診療を行っていますので、お気軽にご相談ください。
