本文へスキップ
お気軽にご相談ください 03-3351-3610
診療時間 平日  : 9:00-12:00 / 15:00-18:00
休診日 : 土・日・祝
中絶・内視鏡検査
オンライン相談はこちら
中絶・内視鏡検査
オンライン相談はこちら
コラム

ピルは40代でも服用していい?検討が必要な理由や代替法を詳しく紹介

低用量ピルは、避妊や月経トラブルの緩和など、女性の生活の質(QOL)を保つために活用されています。

しかし、40代以降は加齢やホルモンバランスの変動などにより、ピルの継続や開始を慎重に判断しなければいけません。

この記事では、40代のピル服用について、検討が必要な理由や、服用についてのメリットとデメリット、服用が難しい場合の代替法などについて紹介します。

自分の体に合った方法を選択するため、この記事を一つの参考にしてください。

ピルとは

40代のピル服用について紹介する前に、まずはピルについて理解を深めましょう。

ピルがどのような仕組みで悩みに働きかけるのか、ピルの種類や、服用に向いていない方について紹介します。

ピルの仕組みと作用

ピルとは、『エストロゲン(卵胞ホルモン)』や、プロゲステロンに似た働きをする『プロゲスチン(黄体ホルモン)』を含むホルモン剤です。

服用することで妊娠中と同様のホルモンバランスに調整でき、脳に妊娠時に近い状態であると認識させることで排卵の指令を休ませる仕組みです。

ホルモンバランスを一定に保つ働きがあるため、生理痛や更年期症状などの不快な症状を和らげる目的でも活用されます。

他にも生理日の移動や特定の病気の予防など、女性特有の悩みに対して幅広く使用されています。

ピルの種類

ピルはエストロゲンの含有量によって以下のように4種類に分けられ、それぞれ目的が異なります。

ピルの種類目的・適応症など
高用量ピル副作用が強すぎるためほとんど処方されない
中用量ピル緊急避妊(一部)月経移動
低用量ピル避妊効果月経前症候群月経痛・月経過多子宮内膜症
ミニピル避妊効果子宮内膜症の改善

日常的に処方されるのは、体への負担を抑えた低用量ピルやミニピルです。

エストロゲンには血液凝固作用があり、40代は血栓のリスクが高まるため、服用の継続や開始には、医師による慎重な判断が必要です。

40代のピル服用の効果とメリット

ピルの服用には、女性ホルモンの変動によって変化しやすい女性の体調を整える働きがあるため、40代以降も継続した服用を求める方も多いでしょう。

ここでは、40代がピルを服用することで得られる効果とメリットについて紹介します。

避妊効果

ピルを服用するメリットの一つとして、高い避妊効果があることが挙げられます。

40代になると避妊への意識が薄れがちですが、排卵がある限りは妊娠する可能性がゼロになるわけではありません。

40代での予定外の妊娠には、妊娠に関連する合併症のリスクや、流産・死産による母体へのダメージなど、若い頃より身体的な負担が大きくなります。

望まない妊娠を防ぎたい方にとって、40代のピル服用は検討したい選択肢の一つといえるでしょう。

生理周期の安定

40代は更年期移行期にあたり、女性ホルモンのバランスの乱れから生理周期や体調が不安定になることがあります。

周期が極端に短くなったり、逆に長く空いたりすることも増えますが、これは更年期へ向かう自然な変化です。

急に始まる生理に不安を感じて、スケジュール調整が負担になることもあるでしょう。

家事や仕事で忙しい40代の女性にとって、ピルで生理周期を整えることは、日々の予定を立てやすくする一つの方法となります。

月経困難症・PMSの改善効果

40代は以前より痛みや経血量が増し、月経困難症が悪化するケースが少なくありません。

この生理の変化の背景には、ホルモンバランスの乱れだけでなく、子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患が関わっている場合もあります。

骨盤痛や貧血などつらい症状は放置せず、まずは医師の診察を受け、適切な治療を検討することが大切です。

更年期障害の不調を和らげる

更年期障害の症状は個人差が大きく、全身のあらゆる箇所にさまざまな形で現れます。

今の不調が当てはまるか、以下でチェックしてみましょう。

症状の種類具体的な症状(一例)
精神神経系の症状頭痛・めまい・不眠・イライラ・不安
血管運動神経系の症状ホットフラッシュ・動悸・寝汗・むくみ
皮膚・分泌系の症状喉の渇き・ドライアイ
消化器系の症状吐き気・便秘・下痢
運動器官系の症状肩こり・腰痛・関節痛・背中や手指の痛み・しびれ
泌尿器・生殖器系の症状月経異常・性交痛・尿失禁

40代は月経があってもホルモンバランスが不安定なため、これらの不調が徐々に現れてくることがあります。

ピルで女性ホルモンの変動を一定に整えることで、更年期特有の不快な症状を抑制する効果が期待されています。

しかし、ピルは更年期障害に伴う症状の緩和に使われることはあっても、根本的な治療薬ではありません。

症状が重い場合や閉経が近い場合は、ピル以外の治療が適していることもあるため、医師に相談して現状を把握することが大切です。

卵巣がん・子宮体がん・大腸がんの発症リスクを低減

ピルの服用には、特定のがんの発症リスクを低下させる効果が報告されています(個人差があります)。

卵巣がんは10年以上、子宮体がんは1年以上の服用で発症リスクが減少し、服用中止後も長期間、効果が持続すると考えられています。

(参考:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の有効性についてのとりまとめ」)

大腸がんについてもリスクを低下させるという研究結果がありますが、その仕組みは詳しく解明されていません。

特に女性全体のがんは40代からの罹患率が上昇するという統計が、国立がん研究センターから発表されています。

将来的ながんリスクを避けたい場合は、ピルの服用も選択肢の一つです。

骨密度の維持

ピルに含まれるエストロゲンには、丈夫な骨の生成をサポートする働きがあります。

骨は、古い骨を壊す『吸収期』と、新しい骨を作る『形成期』を繰り返しますが、エストロゲンはこの破壊を抑えて形成を促す作用を持っています。

また、骨の主成分であるカルシウムの吸収を助け、骨の成分が過剰に失われるのを抑えるのも大きな特徴です。

将来のために骨密度を維持したい40代の方にとって、ピルの服用は骨粗しょう症の予防のための選択肢といえるでしょう。

40代のピル服用の副作用とデメリット

40代のピル服用については、体調を整えるメリットがある一方で、注意の必要な副作用もあります。

ここでは、40代の方が知っておいたほうがいいピル服用の副作用とデメリットについて紹介します。

血栓症のリスク

血栓症は、ピル服用における重篤な副作用の一つとして、十分に注意を払う必要があるでしょう。

血液中に生じた血の塊(血栓)が血管を塞ぎ、血流を止めてしまうことで体に障害を引き起こす疾患です。

服用していない方よりはリスクが上昇しますが、妊娠中や産後よりはリスクが低いとされています。

しかし、40代という年齢や長年の生活習慣も考慮すると、発症のリスクは若い頃より高まると考えたほうが賢明でしょう。

子宮頸がん・乳がんの長期服用によるリスクが上昇

特定のがんのリスクを下げるピルですが、一方で子宮頸がんや乳がんの発症リスクはわずかに高まるとされています。

これらのがんについては、一度もピルを使用したことがない女性と比べて、罹患のリスクが高くなるとの研究結果が報告されています。

特に子宮頸がんに関しては服用期間の長さが影響しやすく、10年以上の使用でリスクが高まる傾向があるのが特徴です。

ただしピルを中止すればリスクは徐々に低下するため、定期的な検診を受けながら、自身で適切に体調を管理することが重要になるでしょう。

血圧上昇のリスク

ピルの服用には、ホルモンの働きによるいくつかの要因から血圧を上昇させるリスクがあります。

ピルに含まれるエストロゲンには、血圧を上げる物質の産生を増加させたり、血管を収縮させたりする作用があるためです。

またプロゲステロンにはインスリンの効果を下げる作用があるため、血糖値の上昇に伴って血圧も上がりやすくなります。

40代は年代的にも高血圧のリスクがあるため、ピルを服用するにあたって日頃の血圧管理にも気を配る必要があるでしょう。

低用量ピルの代替法

低用量ピルは日常的に使用されることが多いですが、服用をやめると心身の状態や月経周期が変化する場合があります。

ピルを使用できない、あるいは中断した場合、服用していた目的に合わせた代替法で不調の改善を考えることが大切です。

ここでは、40代の方が低用量ピルの代わりに検討できる、代替法について紹介します。

ホルモン補充療法

ホルモン補充療法は、主にほてりやのぼせのような更年期症状を改善するための治療法です。

ピルとの違いはホルモンの含有量にあり、排卵を止めるほどの強さがないため、避妊目的としては使われません。

更年期障害はエストロゲンの減少が原因のため、この療法では不足しているエストロゲンを補充することで心身の不調を緩和します。

ただし、エストロゲンのみでは子宮体がんなどのリスクが高まる恐れもあるため、プロゲステロンと併用して処方されるのが一般的です。

あくまで足りないホルモンを補う治療であり、ピルのような避妊効果は期待できないことを理解しておきましょう。

漢方薬

月経困難症にみられるような症状を緩和する目的の場合、漢方薬を選択するのも一つの方法です。

漢方は自然治癒力を高め、不調になりにくい体へ整える目的で長期的に服用し、体質改善を目指します。

体の巡りを整えることで症状にアプローチしますが、効果が緩やかなため、効果が現れるまでは一時的に医師の判断により低用量ピルと併用する場合もあります。

婦人科で処方される漢方薬には多くの種類があり、その時の体質や症状に合わせて処方できるのが特徴です。

サプリメント

市販のサプリメントは、ホルモンバランスの変化による不調を補うための選択肢として活用される場合があります。

代表的なものには大豆イソフラボンやエクオール、女性ホルモンに似た働きをするとされる成分などが挙げられます。

また、更年期世代に不足しがちなビタミン類やカルシウムなど、栄養素を補うタイプのものも取り入れやすいでしょう。

医薬品ではないため効果に限界はありますが、体に作用することには変わりないため、効果を正しく理解し、医師の診断と指示のもとに使用しましょう。

ミレーナ

ミレーナは、子宮内に装着して黄体ホルモンを持続的に放出する子宮内避妊システムです。

子宮内膜を薄く保つことで、避妊や過多月経、月経困難症の改善に用いられます。

装着時に痛みを感じることがありますが、クリニックによっては麻酔に対応している場合もあります。

一度の装着での効果持続は約5年間で、ピルの飲み忘れのような避妊が失敗するリスクを抑えられるのが特徴です。

ミニピル(スリンダ錠28)

ミニピルはエストロゲンを含まないため、低用量ピルに比べて40代が懸念する血栓症のリスクに配慮しやすいのが特徴です。

特に、『スリンダ錠28』は2025年5月に日本で承認された経口避妊薬です。

喫煙者や肥満、高血圧などで低用量ピルを控えていた方でも選択肢となる場合があります。

避妊薬ですが、診療方針によって月経困難症やPMS、子宮内膜症などの相談時に選択肢として案内されることがあります。

従来のミニピルに比べて服用時刻に柔軟性があるとされていますが、毎日できるだけ一定の時間に服用することが大切です。

適応するかどうかは医師の判断が必要ですが、40代から新たに服用を始めることが可能な場合もあります。

40代のピル服用は慎重な検討が必要

40代のピルの服用は、年齢とともに血栓症のリスクが高まるため、より慎重な判断が求められます。

定期的な検査で様子を見ながら、医師の指導のもとで閉経または50歳まで服用を継続することは可能です。

しかし実際には45歳前後で中止を検討し始めるクリニックも少なくありません。

また、ピルの副作用である気分の変化や頭痛・むくみなどは、更年期症状と似ることがあるため区別が難しい場合があり、適切な治療を遅らせる恐れがあります。

40代のピル服用は、自分の体調の変化を慎重に見極め、その後の方針を医師と話し合うべきタイミングであるといえるでしょう。

40代以降も継続したい方、新しく服用を考えている方、いったんやめていた服用を40代で再開したい方などは、代替法を視野に入れて検討することが大切です。

まとめ

避妊や更年期障害など、40代はホルモンバランスの変化に伴い、これまでの対処法を見直したい繊細な時期と言えるでしょう。

変化を感じやすい不安な年代ですが、自己判断で急に服用を中止するのではなく、まずは医師に相談することが大切です。

適切な診断に基づいた計画を立てることで、年齢に合わせた体への負担を抑えた対策が可能になります。

四谷三丁目駅から徒歩1分の高村医院は、半世紀以上の歴史を持ち、新宿の地域医療を支えてきた産婦人科です。

内科や外科・皮膚科・泌尿器科なども標榜し、充実した設備を整え、40代からの女性のQOL向上を幅広くサポートしていますので、お気軽にご相談ください。