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コラム

ピルは何歳まで飲める?やめたらどうなる?年代別の目的や代替法も紹介

合成ホルモンを利用した低用量ピルやミニピルは、女性特有の悩みを改善するために広く活用されています。

年齢やライフステージの変化に合わせて選択されますが、服用できる年齢制限や目的の変化には注意が必要です。

この記事では、ピルが何歳まで飲めるのか、年齢による目的の変化、服用できなくなった場合の代替法を紹介します。

生活の質(QOL)を落とさずに過ごすため、ピルに関する正しい知識を深めましょう。

低用量ピルは何歳まで服用可能?

女性の不調を整えるために日常的に服用できるホルモン剤として、低用量ピルが挙げられます。

原則として初経から閉経前まで服用が可能とされていますが、年齢や生活習慣などで服用の可否が分かれます。

ここでは低用量ピルが何歳まで飲めるのか、どういう状況で制限されるのかを紹介します。

1日15本以上喫煙している場合は35歳まで

35歳以上で1日15本以上喫煙している方は、原則として低用量ピルを服用できません。

タバコに含まれる成分とピル、そして年齢との相乗効果により、血栓症のリスクが高まるためです。

35歳未満でも喫煙習慣がある場合は、医師による慎重な判断が必要です。

35歳以上で上記のような喫煙をしている方が避妊や月経不順を改善したい場合は、別の方法を検討しましょう。

40代になったら代替を検討するタイミング

低用量ピルは40歳以上になると慎重投与の対象となるため、服用を再検討する必要があります。

加齢そのものが血栓症リスクを高める要因となるためです。

血栓症は、血管が詰まることで心筋梗塞や脳梗塞など、重篤な臓器障害を引き起こす恐れがあります。

また、ピルに含まれるエストロゲンには、血液を凝固しやすくする作用があるため注意が必要です。

脂質異常症・糖尿病などの持病がなく非喫煙者であれば、閉経または50歳まで服用できるケースも見られます。

50代または閉経後の服用はできない

50歳以上または閉経後の方は、低用量ピルを服用することはできません。

これは日本のガイドラインに禁忌として明示されています。(参考:「日本産科婦人科学会 低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーデン配合剤ガイドライン」)

血栓症のリスクは年齢とともに高まるため、45歳前後で服用の中止を検討し始めるクリニックも少なくありません。

ピル中止後の体調に不安がある方、ピルをやめても体調を整えていきたい方は、代替法を視野に入れて検討することが必要でしょう。

更年期障害の治療には使われない

低用量ピルは、更年期障害に伴う症状の緩和に使われることはあっても、根本的な治療薬ではありません。

40代では、更年期障害とホルモンバランスの変化による不調の区別がつきにくいのが特徴です。

更年期障害にはホルモン補充療法が有効であり、低用量ピルは更年期障害そのものの治療薬ではないため、症状や年齢に応じて専門医による適切な治療を行うことが基本となります。

こういった症状に気付くためにも、ピルの服用中は定期的な受診によって状態を確認することが必要です。

低用量ピルをやめたらどうなる?

低用量ピルは基本的にやめたい時にやめることができますが、事前の医師への相談が推奨されます。

自己判断で急に中止すると、それまでピルでコントロールしていた不調が再び現れるためです。

閉経を迎えていない限りは生理痛やPMSが再発し、以前と同じ痛みに悩まされる恐れがあります。

また、ニキビや薄毛の改善目的で服用していた場合も、中止により元の状態に戻るリスクがあります。

低用量ピルの効果とメリット

低用量ピルは、配合された合成ホルモンの働きで排卵を抑え、望まない妊娠を防ぐ薬です。

しかし、低用量ピルの役割は避妊だけでなく、女性特有のさまざまな悩みを改善する効果も期待されています。

ここでは、低用量ピルにどのような副効用があり、どのような目的で使用されるのかを紹介します。

生理周期を整える

40代の更年期移行期になると、女性ホルモンのバランスが乱れることから、生理周期や体調が不安定になるケースがあります。

周期が極端に長くなったり、逆に短くなったりすることもありますが、これは更年期へ向かう変化の一つです。

予測できない生理は予定を立てる際の負担となりますが、ピルで周期を一定に整えることで対策が可能です。

月経困難症やPMSの症状改善

40代を迎えると、生理痛や経血の量が増えて月経困難症の症状が重くなるケースが見られます。

また、生理の変化にはホルモンバランスだけでなく、子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患が隠れている場合もあります。

骨盤痛や貧血などの体調不良を放置せず、まずは医療機関を受診して原因を確かめることが重要です。

不快な症状は閉経に向けて自然に和らぐとは限らないため、ピルで対処する選択肢もあります。

プレ更年期の一時的な不調の緩和

プレ更年期とは、本格的な更年期を迎える前に心身の変化を感じやすくなる時期を指します。

閉経の前後10年間が更年期とされ、日本人の平均閉経年齢が50歳頃のため、個人差はありますが大体45〜55歳頃が目安です。

プレ更年期特有のホルモンバランスの乱れによる不調には、低用量ピルが処方されるケースがあります。

ほてりやイライラ・不眠などのつらさを抑えて心身を安定させるサポートとなります。

特定の疾患やがんの発症リスクを低減

ピルの服用は、卵巣がんや子宮体がん・大腸がんなどの発症リスクの低下との関連が報告されています。

(参考:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の有効性についてのとりまとめ」)

大腸がんについてはリスクを低下させるとする研究結果がありますが、現時点では詳しい仕組みは解明されていません。

女性全体のがんは、国立がん研究センターの発表において、40代からの罹患率が上昇するという統計があります。

ピルの服用有無にかかわらず、定期検診を受けることが大切です。

年齢別の低用量ピルの目的と注意点

低用量ピルを服用する場合、年齢によって目的や注意点、考慮が必要な点が異なります。

ここでは、年齢別の低用量ピルの目的と注意点について紹介します。

10〜20代前半:ホルモンバランスの安定

10〜20代前半は、初経を迎えたばかりの頃から成人になるまでの、ホルモンバランスが不安定な時期にあたります。

生理痛や生理不順など、QOLを低下させるような悩みを抱える方が多い世代です。

そのためこの世代では、ピルが生理周期の安定や月経困難症といった症状を緩和する目的で活用されます。

体が成長過程にあるため自己判断を避け、専門家に相談して自分に合った種類のピルを検討する必要があります。

20代後半〜30代:避妊と生理周期の調整

20代後半〜30代は、仕事や私生活の計画に合わせて確実な避妊を行う目的でピルが選ばれます。

多忙な世代のため、生理日の移動や生理周期のコントロールを行うことで、スケジュール調整が可能です。

ただし、ホルモンの働きが徐々に変化していく時期でもあるため、長期的な服用を検討する場合は医師の診断が不可欠となります。

喫煙習慣のある方は処方に制限がかかる場合もあるため、問題を避けて服用を継続するには、定期検査や生活習慣の見直しが必要です。

40代:血栓症リスクへの慎重な配慮が必要

40代はプレ更年期に差し掛かり、女性ホルモンのバランスが大きく変動する時期にあたります。

ピルによって生理にまつわる不快な症状が軽減される一方で、血栓症を発症するリスクが高まる世代でもあります。

ピルの服用には慎重な判断が求められる時期のため、定期検査や健康状態の確認が欠かせません。

年齢だけではなく、持病の有無や生活習慣など、複数の要因を踏まえ検討したうえで、服用を継続していく必要があります。

50代以降:低用量ピルの服用はできない

50代以降または閉経後は、低用量ピルの服用はガイドラインで禁忌とされています。
(参考:「日本産科婦人科学会 低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーデン配合剤ガイドライン」)

しかし服用を止めると、ピルで抑えていた不調が再発する可能性があるため、代替治療を行う必要がある世代です。

また、更年期障害の場合はホルモン補充療法のような、ピルの服用とは別の治療法が検討されるのが一般的です。

50代以降は体調の変化が急激に起こるケースが多いため、自己判断での継続は避けて必ず医師に相談し、適切なケアを選択しましょう。

40代以降に検討したい低用量ピルの代替法

40代以降は血栓症のリスクが心配ですが、服用をやめるとピルによって抑えられていた不調が再発する恐れがあります。

いつかはやめなければいけない低用量ピルの代わりに検討できる、代替法について紹介します。

ホルモン補充療法

ホルモン補充療法は、主にほてりやのぼせといった更年期特有の症状を緩和するための治療法です。

ピルよりもホルモンの含有量が少なく排卵を抑制する力はないため、避妊目的としては使用されません。

更年期障害の原因であるエストロゲンの減少に対し、不足分を補うことで心身の不調を整えます。

子宮体がんのリスクを防ぐ目的から、基本的には黄体ホルモンと併用して処方されるのが一般的です。

漢方薬

生理痛や月経困難症などの症状を和らげる方法として、漢方薬を選択することも可能です。

漢方薬は自然治癒力を高めることで、不調になりにくい体質に改善する目的で長期的に服用されます。

効果が緩やかに現れるため、医師の判断により一時的に低用量ピルと併用するケースもあります。

婦人科で処方される漢方薬は種類が豊富なため、その時の症状や状態だけでなく、体質に合わせて適切な処方が行えるのがメリットです。

サプリメント

市販のサプリメントは、ホルモンバランスの乱れからくる不調を補う選択肢として活用される場合があります。

代表的なものには、女性ホルモンに似た働きをするとされる大豆イソフラボンやエクオールが挙げられます。

また、更年期世代に不足しがちなカルシウムやビタミン類などの栄養素を補うタイプのものも利用されています。

医薬品のような分かりやすい効果は現れませんが、体に作用するため、主治医の診断と指示を受けたうえで使用しましょう。

ミレーナ

ミレーナは、子宮内に装着して黄体ホルモンを持続的に放出させる子宮内避妊システムです。

子宮内膜を薄く保ち、避妊や過多月経の改善に用いられますが、装着時に痛みを伴う場合があります。

しかし、麻酔を併用して装着時の痛みに配慮する方法がとられる場合もあります(当院では麻酔を使ったミレーナ装着を行っています)。

一度の装着で約5年間効果が持続し、ピルのように飲み忘れによる避妊失敗を避けられるのが特徴です。

ミニピル(スリンダ錠28)

ミニピルはエストロゲンを含まないため、40代や持病がある方などが懸念する血栓症のリスクを抑えやすい特徴があります。

特に、『スリンダ錠28』は2025年5月に国内で承認された黄体ホルモン単剤の経口避妊薬です。

喫煙習慣や肥満・高血圧などで低用量ピルを控えていた方でも、処方が可能であるケースがあります。

避妊目的以外にも、子宮内膜症や月経困難症、PMSなどの症状改善における選択肢としても活用されます。

従来のミニピルよりも服用の時間帯に柔軟性がありますが、なるべく効果を引き出すために毎日一定の時間に服用しましょう。

個人の状態に合っているかどうかは医師の判断が必要ですが、受診や検査の結果に問題がなければ40代以降でも服用を開始できます。

まとめ

低用量ピルは年齢や生活習慣により処方が制限されますが、血栓症のリスクが危ぶまれる年齢でも、適切な代替法を選ぶことで不調のケアや避妊の継続が可能です。

年齢を理由に諦める必要はなく、ミニピルやミレーナなど、状態や年齢に合わせた選択肢を医師と相談して見つけることが、QOLの維持につながります。

新宿の産婦人科、高村医院では、低用量ピルの他にも代替となるスリンダやミレーナなども取り扱っております。

また、避妊相談や更年期障害、月経異常・月経不順などの治療も行い、女性の皆様のお悩みの解決をお手伝いしてまいりました。

ライフスタイルに合った選択をサポートいたしますので、年齢によるお悩みも一人で抱え込まずにいつでもお気軽にご相談ください。