
ミレーナは避妊や月経困難症・過多月経の治療として広く用いられていますが、検討するうえで気になるのが費用面ではないでしょうか。
「保険は使えるのか」「自費だといくらかかるのか」「定期検診や抜去にも料金は発生するのか」などの疑問をお持ちの方は多いでしょう。
費用は使用目的が避妊か治療かによって大きく変わり、自費診療(自由診療)の場合はクリニックごとに料金設定の幅も広いのが特徴です。
この記事では、ミレーナの費用内訳から保険適用の条件、相場、ピルとの比較まで詳しく解説します。
ミレーナが自分に合うか知りたい方、いくらくらいかかるか他の方法と比べたいという方はぜひ記事を参考にしてみてください。
ミレーナの費用内訳

ミレーナの装着には、本体価格だけでなく、診察料や検査料、装着処置費用などがかかります。
また、定期検診や抜去費用、入れ替え費用(入れ替えを希望する場合)などもかかるため、初めてミレーナを検討している方は、「最終的にいくら必要なのか」を把握しておくと安心です。
ここでは、費用が発生するタイミングごとに詳しく説明します。
装着時の費用
装着時には、ミレーナ本体の費用に加えて装着の処置料・診察料・各種検査料が発生します。
事前の検査では子宮の形態を確認する超音波検査やクラミジア・淋菌などの性感染症検査を実施するのが一般的で、必要に応じて血液検査が追加されることもあります。
| 項目 | 内容 | 費用目安(自費診療の場合) |
| 初診料・再診料 | 問診・診察 | 3,000〜5,000円程度 |
| 検査料 | 超音波検査、感染症検査など | 5,000〜15,000円程度 |
| ミレーナ本体 | 子宮内に装着する器具 | 30,000〜50,000円程度 |
| 挿入処置費用 | 装着手技 | 10,000〜30,000円程度 |
| 麻酔費用 | 自費診療で麻酔を希望する場合 | 15,000〜30,000円程度 |
上記は自費診療の場合の目安で、保険適用の場合は健康保険負担割合に応じて1〜3割がかかります。
費用の提示方法は医療機関によって異なり、全体の項目を含めた「総額」表示をしているところもあれば、個別に分かれているところもあるため、事前にトータルでいくらかかるのかを確認しておきましょう。
当院のミレーナ装着は、装着料や初診料込で72,000円(税込)となっています。
定期検診・抜去にかかる費用
ミレーナを装着した後は、位置のずれや脱落、子宮内の状態を確認するため定期的な検診が必要です。
1か月後・3か月後・1年後に検診を行い、その後は1年に1回程度のペースで超音波などによるチェックを継続します。
途中で妊娠を希望する場合や、入れ替えせず抜去する場合は、ミレーナを取り外すための抜去費用がかかります。
抜去は本体に付いている糸を引いて取り出す処置で、処置自体は数十秒〜数分程度で終わり、入院などは必要ありません。
費用は医療機関によって変わりますが、目安は以下の通りです。
- 定期検診…2,000〜3,000円程度(1回あたり)
- 抜去…5,000円程度
入れ替えにかかる費用
ミレーナの有効期間は最長5年間で、期限を迎えたら新しいものへの入れ替えが必要となります。
入れ替えは「古いミレーナの抜去」と「新規ミレーナの装着」の2つの工程になるため、「抜去費用+装着時の費用」がかかります。
ミレーナは保険適用される?

ミレーナは、治療目的であれば保険適用されます。
ここからは、保険適用となるケースと自費診療になるケースを、それぞれ詳しく見ていきましょう。
保険適用になるケース
保険適用が認められるのは、医師から「過多月経」または「月経困難症」と診断され、その治療のためにミレーナを装着する場合です。
月経時の経血量が多くて貧血になりやすい方、生理痛が強くて日常生活に支障が出ている方などは、保険が適用される場合があります。
自己申告だけで保険適用になるわけではないため、気になる症状がある方はまず婦人科を受診し、検査を受けたうえで治療方針を相談しましょう。
自費診療になるケース
一方、避妊のみを目的としてミレーナを装着する場合は、自費診療扱いになります。
健康保険は病気やケガの治療に対して給付される制度であり、避妊は疾病の治療には該当しないためです。
また、ミレーナ装着時の痛みの緩和を目的に麻酔を使用する場合、麻酔は保険適用にならないため、ミレーナ装着も含めてすべて自費になります。
ミレーナ装着時の痛みの感じ方には個人差が大きく、ほとんど痛みを感じない方もいれば、強い痛みを感じる方もいます。
痛みが不安な方、痛みに弱い方、出産経験がない方(子宮口・子宮頸管が狭く痛みを感じやすい傾向にある)は、麻酔の使用を検討してみるといいでしょう。
ミレーナの費用相場

ミレーナの費用は、保険適用の有無や麻酔の使用、医療機関の料金設定によって変わります。
保険適用の場合は全国一律ですが、自費診療の場合は医療機関によって料金が変わるため、前もって確認しておきましょう。
ここでは、それぞれのケースごとに費用相場をまとめて紹介します。
なお、ここで示す金額はあくまで一般的な目安であり、実際の料金は受診先の医療機関にご確認ください。
保険適用の場合
保険適用(3割負担)でミレーナを装着する場合の費用相場は、初診料や検査料を含めて10,000円〜15,000円ほどが目安です。
追加検査の有無によっては、追加費用が発生することもあります。
自費診療の場合
自費診療でミレーナを装着する場合、装着料の相場は約60,000円〜100,000円と医療機関によって幅があります。
初診料や検査料が別途必要な場合と、装着料に含まれている場合があるため、内訳を確認しておきましょう。
麻酔を使用する場合(自費診療)
装着時の痛みが不安な方には、麻酔の使用がおすすめです。
麻酔には主に局所麻酔・笑気麻酔・静脈麻酔などの種類があり、医療機関によって取り扱っている種類に違いがあります。
種類によって費用は変わりますが、局所麻酔・笑気麻酔は15,000円前後、静脈麻酔は30,000円前後が目安です。
麻酔料が別途かかる医療機関もあれば、総額に麻酔料が入っているところもあります。
ミレーナとは

ミレーナは、子宮内に装着する「黄体ホルモン放出型子宮内システム(LNG-IUS)」で、女性が主体的に選択できる避妊法の一つとして近年広く知られるようになってきている方法です。
小さなT字型の器具から黄体ホルモンが持続的に放出され、避妊効果に加えて、過多月経や月経困難症の改善も期待できます。
1回装着すると最長5年間効果が持続する点が特徴で、毎日薬を飲む必要がありません。避妊目的だけでなく、月経症状に悩む方の治療としても広く使用されています。
ミレーナの効果・メリット
ミレーナには、高い避妊効果だけでなく、月経に伴う症状の改善も期待できます。
特に「生理の量が多い」「毎月の生理痛がつらい」と悩んでいる方にとって、有効な選択肢の一つです。
| 効果・メリット | 内容 |
| 高い避妊効果 | 黄体ホルモンの作用により受精・着床を防ぎ、最長5年間高い避妊効果(約99.8%)がある。 毎日の服薬管理が不要で、飲み忘れによる避妊失敗リスクがない |
| 過多月経の改善 | 子宮内膜の増殖を抑えることで経血量が減少 |
| 月経困難症の改善 | 子宮内膜が薄く保たれることで、生理痛の軽減につながる |
ミレーナの副作用・デメリット
メリットの多いミレーナですが、装着にあたって知っておきたい副作用やデメリットも存在します。
| 項目 | 内容 |
| 不正出血 | 装着後3〜6か月は少量の出血が続くことがある |
| 月経パターンの変化 | 周期や日数が変動する場合がある |
| 腹痛・腰痛 | 装着直後に生理痛のような痛みが出ることがある |
| 装着時の痛み | 未経産婦では痛みを感じやすい |
| 子宮穿孔、自然脱出(極めてまれ) | 装着時に子宮壁を貫通するリスク、自然に抜け落ちるリスクがごくまれにある |
【避妊目的】ミレーナと比較される方法と費用相場

避妊を目的とした方法は、ミレーナ以外にもさまざまな選択肢が存在します。
避妊効果・継続期間・費用・身体への負担は方法によって大きく異なるため、ライフスタイルや希望する避妊期間に合わせて選ぶことが重要です。
主な避妊方法を比較すると以下のとおりです。
(※当院では低用量ピル、ミレーナのみの取り扱いになります)
| 方法 | 費用相場 |
| ミレーナ | 60,000〜100,000円程度 |
| OC(低用量ピル) | 2,500〜3,000円程度(1か月あたり) |
| 避妊インプラント | 150,000〜200,000円程度 |
| 避妊注射 | 10,000円程度(1回あたり) |
OC(低用量ピル)
OC(低用量ピル)は、毎日服用する経口避妊薬です。排卵を抑制することで避妊効果を発揮します。
費用相場は1か月(1シート)あたり2,500〜3,000円程度で、継続的な通院や処方が必要です。
生理周期のコントロールやPMSの改善などの副効用が期待できる一方、飲み忘れによる避妊失敗のリスクには注意が必要です。
また、喫煙者・40歳以上の方・BMI30以上の方など、血栓症リスクが高い方には処方が難しいケースもあります。
避妊インプラント(皮下埋め込み型)
避妊インプラントは、二の腕の皮下に細い器具を埋め込み、黄体ホルモンを持続的に放出する避妊法です。
約99%の高い避妊効果があり、海外では広く使用されているものの、日本国内未承認であるため取り扱っている医療機関は限られます。
費用はやや高めで、150,000〜200,000円程度が相場です。(抜去代は別途)
避妊注射
避妊注射は、3か月に1回の頻度でホルモン製剤を注射する避妊方法で、黄体ホルモン製剤の作用で排卵を抑制したり、受精を阻止したりすることで避妊効果を発揮します。
毎日の服薬や器具の装着が不要で、ピルのような飲み忘れリスクがありませんが、注射を中止しても卵巣機能の回復に6か月〜1年ほどかかる場合があるため、近い将来の妊娠を希望する方には不向きとされています。
費用相場は1回あたり10,000円程度が目安です。
【過多月経・月経困難症の治療】ミレーナと比較される方法と費用相場

過多月経や月経困難症の治療には、ミレーナ以外にも内服薬や手術など複数の選択肢があります。
主な方法は以下の通りです。
| 治療法 | 費用目安(保険3割負担) |
| ミレーナ | 10,000〜15,000円程度 |
| LEP(低用量ピル) | 800〜1,500円程度(1か月あたり) |
| ジエノゲスト | 1,500円前後(1か月あたり) |
| 手術(種類による) | 数万〜数十万円 |
LEP(低用量ピル)
LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤)は、月経困難症・子宮内膜症などの治療を目的に承認された低用量ピルです。
排卵抑制やホルモン調整によって、生理痛や経血量の軽減を目指します。
種類によって異なりますが、治療目的のLEPの場合は1か月あたり800〜1,500円程度が費用相場です。
ジエノゲスト
ジエノゲストは、黄体ホルモン作用をもつ内服薬(プロゲスチン製剤)で、商品名「ディナゲスト」として知られています。
排卵を抑制する作用があり、月経困難症、子宮内膜症、子宮腺筋症の治療効果があります。
1日に2錠を12時間ごとに服用する必要があるため、服薬管理が大切です。
1か月あたりの費用相場は1,500円前後が目安となります。
手術
薬物療法では十分な効果が得られない場合や、原因疾患の根治を目指す場合には、手術による治療が検討されます。
手術にはいくつかの方法があり、症状の重さ・原因疾患・妊娠希望の有無によって選択肢が変わるため、医師としっかり相談することが大切です。
- 原因となっているものの切除術
- 子宮内膜アブレーション(焼灼術)
- 子宮摘出手術
手術方法には上記のような方法があり、数万〜数十万円ほどの費用がかかります。
ミレーナとピルどっちがおすすめ?選び方のポイント

ミレーナとピルは、どちらも避妊や月経関連症状の改善に用いられる選択肢ですが、作用の仕組み・使用方法・コスト・体への負担に違いがあります。
自分の生活スタイルや体質、将来の妊娠希望の有無などを考慮して、適した方法を選びましょう。
ミレーナが向いている人
ミレーナは、毎日の管理が不要で長期的に効果が続くことや、子宮内のみに作用し全身への影響が抑えられることが特徴です。
以下のような方には、ミレーナの選択が向いている可能性があります。
- 毎日薬を飲みたくない人、飲み忘れが心配な人
- 長期間(最長5年間)避妊したい人
- 過多月経がある人
- 生理痛が強い人
- ピルで吐き気や頭痛が出やすい人
- 血栓症リスクなどでピル服用が難しい人
- 長期的な避妊希望でコストを抑えたい人
ピルが向いている人
ピルは、月経周期のコントロールやPMS改善などの副効用も得られる点が特徴です。
次のような目的や状況の方には、ピルが向いている可能性があるでしょう。
- 子宮内への器具挿入に抵抗がある人
- 月経周期をコントロールしたい人
- PMS・PMDDを改善したい人
- 将来的に妊娠予定が近い人
ミレーナの費用についてのよくある質問

ここでは、ミレーナの費用についてのよくある質問と回答を紹介します。
Q:ミレーナは民間医療保険の手術給付金は出ますか?
A:ミレーナの装着は「手術」ではなく「処置」に分類されるため、原則として対象外となると考えられます。
ただし、契約している保険会社や商品、特約の内容により判断が異なる可能性もあるため、詳しくは加入の保険商品の約款を確認したうえで、保険会社のカスタマーセンターへ直接問い合わせてみましょう。
Q:ミレーナは保険適用されますか?
A:医師から「過多月経」または「月経困難症」と診断された場合に限り、保険適用となります。
避妊のみを目的としたミレーナ装着は、自費診療です。
まとめ
ミレーナの費用は保険診療の場合は10,000円〜15,000円、自費診療の場合は60,000円〜100,000円ほどが相場です。
自費診療の場合、医療機関によってかかる費用が異なるため、前もって総額を確認しておくことが大切です。
新宿区・四谷三丁目駅から徒歩1分の高村医院では、患者様一人ひとりのお悩みやライフスタイルに寄り添いながら、ミレーナを含めた婦人科治療について丁寧にご相談を承っています。
当院では静脈麻酔下でミレーナの装着を行っており、装着料72,000円(税込・初診料込)です。
費用面や副作用への不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
