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コラム

ミレーナは保険適用される?自己申告でもOK?条件・費用・自費との違いを解説

ミレーナはもともと避妊を目的に開発されましたが、過多月経や月経困難症などの治療にも効果を発揮する医療機器です。

ミレーナが気になっている方の中には、「保険適用になる条件が分からない」「避妊目的でも保険が使えるの?」「自費だといくらかかる?」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。

結論をお伝えすると、ミレーナは過多月経や月経困難症などの治療目的の場合は保険適用となりますが、避妊のみを目的とする場合は、自由診療になります。

この記事では、ミレーナが保険適用される条件、保険診療・自由診療での費用の違い、ピルとの比較などについて詳しく解説します。

ミレーナが保険適用されるケース:疾患が原因の場合

ミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム・IUS)は子宮内避妊器具の一つで、長期避妊を目的に1990年にフィンランドで開発されました。

日本では避妊目的として2007年に導入され、2014年からは月経困難症と過多月経の治療目的で使用する場合に健康保険が適用されるようになっています。

ミレーナが保険適用となることがあるのは、主に以下のケースです。

  • 過多月経(出血量が多い)
  • 月経困難症(生理痛が強い)
  • 子宮内膜症・子宮腺筋症の症状がある

それぞれ詳しく解説します。

過多月経(出血量が多い)

過多月経とは、月経時の経血量が異常に多い状態を指します。

一般的に1回の月経で140mL以上、または80mLを超えると貧血リスクが高まるといわれており、夜用ナプキンが1〜2時間でいっぱいになる、レバー状の塊が頻繁に出る、生理が8日以上続くといった症状がある場合は、過多月経の可能性があるでしょう。

ミレーナから持続的に放出される黄体ホルモン(レボノルゲストレル)には子宮内膜の増殖を抑えて経血量を減らす効果があり、医師による診断がつけば、保険適用でミレーナ装着が可能です。

月経困難症(生理痛が強い)

月経困難症は、月経に伴う腹痛・腰痛・吐き気・頭痛などによって日常生活に支障をきたす状態のことです。

鎮痛薬を服用しても症状が改善しない、月経のたびに寝込んでしまうほどの痛みがあるといったケースで、月経困難症と診断された場合には保険診療の対象になります。

ミレーナによって子宮内膜が薄く保たれると、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの産生が抑えられ、月経痛が軽減される仕組みです。

子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫の症状がある

子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫は、過多月経や強い月経痛を引き起こす婦人科疾患です。

ミレーナは黄体ホルモンを持続的に放出することで子宮内膜の増殖を抑え、痛みや出血量の軽減を図ります。

これらの疾患に伴う月経困難症・過多月経の治療を目的としてミレーナを使用する場合、健康保険の対象となります。

ただし、子宮筋層の厚みが5cmを超える子宮腺筋症や2.5cmを超える子宮筋腫がある場合、条件によっては脱出リスクが高まり効果が得にくいこともあるため、慎重な検討が必要です。

ミレーナが自由診療となるケース:避妊目的の場合

避妊のみを目的として使用する場合、ミレーナは自由診療(自費診療)になります。

これは、日本の保険診療が「病気の治療」を目的としているためです。

避妊は病気の治療ではなく個人の選択による医療行為と位置づけられているため、全額自己負担の自由診療として扱われます。

「避妊目的だけど、生理も重い」というケースでは、診察や検査を行い、適応が認められるかを確認します。

ミレーナは「自己申告でも保険適用される」は誤解

自己申告だけでは、ミレーナは保険適用にはなりません。

保険診療としてミレーナを使用するには、医師による診察や検査を行い、過多月経・月経困難症などの診断基準を満たしているか確認する必要があります。

症状の程度だけでなく、超音波検査所見や貧血の有無などの確認も必要です。

インターネット上では「生理が重いと自己申告すれば保険適用になる」「保険適用は嘘」などさまざまな情報が散見されますが、誤解のないように注意しましょう。

過多月経・月経困難症・子宮内膜症などの検査方法

ミレーナの保険適用を判断する際には、単に症状を聞くだけでなく、原因となる疾患の有無や症状の程度を確認するための検査を行います。

婦人科の検査に不安を感じる方も少なくありませんが、症状を正しく把握することが適切な治療選択につながります。

不安や疑問がある場合は、医師やスタッフに前もって伝えておけば配慮してもらえることが多いため、遠慮なく伝えるようにしましょう。

検査の種類主な目的
問診症状や月経歴・既往歴の確認
内診子宮や卵巣の触診による評価
超音波検査子宮筋腫・腺筋症・内膜症の有無確認
血液検査貧血・腫瘍マーカー・ホルモン値の測定
その他MRI・子宮鏡・がん検診など

ここからは、各検査の内容を詳しく見ていきましょう。

問診

問診では、生理周期や経血量、生理痛の強さ、出血期間などを詳しく確認します。

例えば、以下のような内容が診断の参考になります。

  • ナプキン交換頻度
  • レバー状の血の塊の有無
  • 鎮痛薬の使用頻度
  • 日常生活への影響
  • 妊娠・出産歴

症状は人によって異なるため、できるだけ具体的に伝えるようにしましょう。

内診

内診は、医師が直接子宮や卵巣の状態を触診で確認する検査です。

腟内に指を入れ、もう片方の手で下腹部を押さえながら、子宮の大きさ・形・可動性・卵巣の腫れ・圧痛の有無などを評価します。

性交経験がない方や強い痛みを訴える方には、内診を省略したり、肛門からの直腸診や経肛門超音波で代替したりするケースもあります。

事前に「内診が不安」と医師に伝えれば、診察方法を工夫してもらえることが多いため、無理せず相談してみましょう。

超音波検査(経腟・経腹・経肛門)

超音波検査は、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症・卵巣嚢腫などの疾患を発見するための検査です。

プローブの当て方によって「経腟」「経腹」「経肛門」の3種類があり、診断目的や患者様の状態に応じて使い分けます。

血液検査

血液検査は、過多月経による貧血の有無や、ホルモン状態、腫瘍マーカーの確認などに用いられます。

子宮内膜症や卵巣腫瘍が疑われる場合はCA125などの腫瘍マーカーを、月経不順がある場合はFSH・LH・エストラジオールなどのホルモン値も合わせて調べます。

その他の検査

超音波検査だけでは判断できないケースもあるため、追加検査を行うことがあります。

代表的なものは、MRI検査・子宮鏡検査・子宮頸がん検診・子宮体がん検診・性感染症(クラミジアなど)検査などです。

特に40代以降の過多月経では子宮体がんとの鑑別が重要になるため、必要に応じてこれらの検査を組み合わせ、総合的に判断します。

ミレーナの費用相場┃保険適用・自由診療の場合

ミレーナの費用は、使用目的によって保険適用と自由診療に分かれ、費用も変わります。

保険診療の費用は全国一律ですが、自由診療の場合はクリニックによって費用が異なるため幅があります。

目的診療区分費用の目安(3割負担含む)
避妊のみ自由診療約60,000〜100,000円
過多月経・月経困難症の治療保険診療約10,000〜15,000円

なお、高村医院では痛みに配慮して自由診療による静脈麻酔下でのミレーナ装着を行っており、費用は72,000円(税込)でご案内しています。

ミレーナのメリット・デメリット

ここでは、ミレーナのメリット・デメリットを紹介します。

メリット

ミレーナは避妊効果に加え、月経トラブルの治療もできることが特徴です。

また、子宮内に直接ホルモンを放出する局所作用のため、ピルで懸念される全身性の副作用や血栓症リスクが低く、年齢や生活習慣による制約が少ないメリットがあります。

ミレーナの主なメリットは次の通りです。

  • 約99.8%の高い避妊効果が5年間持続する
  • 飲み忘れや使用ミスによる避妊失敗が起きない
  • 経血量の減少と月経痛の軽減が期待できる
  • 喫煙者・40歳以上・血栓症リスクのある方でも装着可能
  • 卵巣機能が保たれており、抜去すれば妊娠可能な状態になる
  • ピルを5年間継続するより費用負担が軽くなりやすい

デメリット

ミレーナには多くのメリットがある一方で、副作用や注意点もあります。使用前にはデメリットについても理解しておくことが大切です。

主なデメリットは次の通りです。

  • 装着後3〜6か月に少量の不正出血が続くことがある
  • 生理周期が不安定になる場合がある
  • 装着時に痛みを感じることがある(出産経験がない人は痛みを感じやすい)
  • まれな合併症(子宮穿孔、自然脱出など)のリスクがある

ミレーナが向いている人・向いていない人

ミレーナは多くの女性に有効な選択肢ですが、向いている人と向いていない人がいます。

ここでは、向いている方と向いていない方の特徴をまとめて紹介します。

なお、あくまで傾向であるため、自己判断は避け、気になる症状があれば婦人科で相談しましょう。

向いている人

ミレーナは、生理に伴う症状を軽減したい方や、長期間安定した避妊を希望する方に向いています。

例えば、以下のような方に適しています。

  • 月経困難症や過多月経で日常生活に支障が出ている
  • 子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症に伴う症状がある
  • 毎日のピル管理が負担
  • 長期間の避妊を希望している
  • 出産後の避妊方法を検討している

また、低用量ピルで吐き気や頭痛などの副作用が強かった方でも、ミレーナなら使用できるケースがあります。

一度装着すれば最長5年間効果が持続するため、仕事や家事、育児で忙しく、継続的な服薬管理が難しい方にとっても向いた方法といえるでしょう。

向いていない人

一方で、ミレーナが適さないケースもあります。

以下に該当する方はミレーナを使用できない、または慎重な検討が必要です。

  • 妊娠中、または近い将来に妊娠を希望している
  • 性器がんや性ホルモン依存性腫瘍が疑われる
  • 子宮の形態異常(双角子宮・中隔子宮など)がある
  • 子宮内感染や骨盤内炎症性疾患の既往がある
  • レボノルゲストレルに過敏症がある
  • 過去3か月以内に性感染症にかかった
  • 子宮筋層厚が5cmを超える子宮腺筋症(脱出リスク)
  • 直径2.5cmを超える子宮筋腫がある(脱出リスク)

また、ミレーナは最大5年間効果が続くため、近いうちに妊娠を考えている方は他の方法の方が向いている可能性があるでしょう。

ミレーナとピルはどっちがいい?比較表

ミレーナと低用量ピルは、どちらも過多月経や月経困難症、避妊目的で使用されることがありますが、作用の仕組みや管理方法、向いている人には違いがあります。

年齢・体質・ライフスタイル・希望する効果によって適した方法は変わるため、どちらも比較したうえで、自身に合った選択肢を医師と一緒に検討しましょう。

比較項目ミレーナ低用量ピル
投与方法子宮内に1回装着毎日1錠を内服
作用範囲子宮内(局所作用)全身(エストロゲン+プロゲステロン)
効果持続期間最長5年間服用している期間のみ
避妊効果約99.8%約99.7%(飲み忘れで低下)
血栓症リスク低い一定のリスクあり
喫煙者・40歳以上使用可慎重投与または禁忌
月経周期の調整不可可能
生理痛改善期待できる期待できる
経血量減少特に期待できる改善することがある
PMS改善限定的期待できる
治療目的(保険適用)の費用約10,000〜15,000円/5年約500〜1,000円/月
飲み忘れリスクなしあり

ピルは開始しやすい一方、毎日の服用管理が必要です。ミレーナは装着時の処置が必要ですが、その後の管理負担は比較的少ない特徴があります。

高村医院では、症状だけでなく、患者様の生活背景や将来的な妊娠希望も考慮しながら治療法を提案しています。

ミレーナやピルについてのよくある質問

ここでは、ミレーナや低用量ピルの保険適用・費用・装着方法に関して、患者様から寄せられることが多い質問をまとめました。

Q:ミレーナは医療費控除の対象になりますか?

A:「治療」を目的としてミレーナを装着する場合は、医療費控除の対象となる可能性があります。

1年間の医療費合計が10万円(または総所得の5%)を超えた分が控除対象になるので、領収書は必ず保管しておきましょう。

一方、避妊のみを目的とした自由診療は治療に該当しないため、原則として対象外となります。

Q:ミレーナは生理が重ければ保険適用になりますか?

A:「生理が重い」と感じていても、自己申告だけで保険適用になるわけではありません。

保険診療としてミレーナを使用するには、過多月経や月経困難症などの診断が必要です。

経血量が多いと感じても、検査で異常がなく日常生活に支障がない場合は対象とならないこともあれば、本人が「我慢できる範囲」と思っていても、検査結果から疾患が見つかり保険診療になるケースもあるため、我慢せず婦人科で相談しましょう。

Q:ミレーナの費用を安くする方法はありますか?

A:ミレーナの費用負担を抑えるためには、以下の3点を意識してみましょう。

保険適用の対象かを医師に相談過多月経や月経困難症と診断されれば、自己負担額を抑えられる
医療費控除を活用治療目的の支払いは、家族合算で年間10万円を超えた分が確定申告で控除対象になる
クリニックの料金体系を比較自由診療価格は医療機関によって幅があり、麻酔代や検査費用を含めた総額で確認するのが重要

避妊目的の場合、ピルを5年間続けるよりもミレーナの方が結果的に安く済むケースもあるため、長期コストで比較してみるのもおすすめです。

まとめ

ミレーナは、月経困難症や過多月経の治療を目的とする場合に健康保険が適用される一方、避妊のみを目的とする場合は自由診療として全額自己負担となります。

ただし、避妊目的の場合でも、ミレーナは5年間使えることを踏まえるとピル5年分よりも経済的になるケースもあります。

まずは婦人科で診察を受け、自身の症状やライフプランに合った選択肢かどうかを確認してみましょう。

新宿区の四谷三丁目駅から徒歩1分の高村医院では、ミレーナのほか、ピルや漢方薬などによる月経異常・月経不順の治療にも対応しています。

ミレーナ装着は静脈麻酔下で行っているため、痛みが心配な方もぜひ一度ご相談ください。