
おりものの量や色、においなどに変化を感じたとき、「検査を受けた方がいいのか?」と迷う方は少なくありません。
しかし、おりもの検査がどのような検査で、何がわかるのかをきちんと把握していないと、検査を受ける意味が半減してしまいます。
この記事では、おりもの検査でわかること・わからないこと、検査の種類ごとの特徴、結果の見方などについて詳しく解説します。
おりもの検査で何がわかるのか、検査のやり方や費用について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
おりもの検査は何を調べられる?

おりもの検査は、膣内や子宮頸部の分泌物を採取して、菌の種類や炎症の有無などを調べる検査です。
症状の原因を特定するだけでなく、自覚症状がない段階での感染状況を把握することができます。
おりもの検査でわかること
おりもの検査でわかるのは、膣内や子宮頸部に存在する菌や病原体の種類と、炎症が起きているかどうかです。
健康な膣内には常在菌が存在し、膣内を酸性に保つことで病原体の侵入を防いでいます。
このバランスが崩れると、特定の菌が増殖したり、外部から持ち込まれた病原体が定着したりして、炎症や感染症につながることがあります。
おりもの検査で把握できる主な異常・感染症は、以下の通りです。
- 細菌性膣症
- 膣カンジダ症
- トリコモナス膣炎
- クラミジア感染症
- 淋菌感染症
- 非特異性膣炎
おりもの検査でわからないこと
おりもの検査では、調べられない項目もあります。
例えば、子宮頸がんの有無を調べるには、別の検査(細胞診)が必要で、おりもの検査とは採取方法も検査の目的も異なります。
また、子宮内膜炎や卵管炎など、子宮の奥や卵管で起きている炎症は、おりもの検査だけでは診断できません。
おりもの検査は、膣内や子宮頸部の状態を確認するための検査です。
骨盤内の深部に及ぶ異常や感染症を診断するには、血液検査や超音波検査などを組み合わせる必要があります。
おりもの検査の種類

おりもの検査には複数の種類があり、何を調べるかによって実施する検査が異なります。
ここでは、おりもの検査の代表的な種類について解説します。
一般細菌検査
一般細菌検査は、膣内に存在する細菌の種類や量、炎症の有無を調べる検査です。
おりもの検査のなかでも基本となる検査で、顕微鏡で観察するグラム染色と、必要に応じて細菌培養が用いられます。
おりものが増えた、においが気になる、外陰部がかゆいといった症状がきっかけで受けることが多いです。
疲労やホルモンバランスの変化、過度な膣洗浄などにより、膣内の常在菌のバランスが崩れると、特定の細菌が増えて炎症が起こる可能性があります。
一般細菌検査では、その原因となる菌を特定し、原因に応じた治療方針を判断する材料になります。
性感染症検査
性感染症検査は、クラミジアや淋菌など、性行為によって感染する病原体を調べる検査です。
これらは一般細菌検査では検出できず、専用の検査が必要になります。
特に、クラミジアは、自覚症状が出ないまま感染していることも多い性感染症です。
気づかないまま時間が経過すると、不妊や骨盤内炎症疾患につながることがあるため、注意が必要です。
症状がなくても、パートナーが感染していた、不特定多数との性行為があったなどの場合も、検査が推奨されます。
真菌・原虫検査
真菌・原虫検査には、カンジダやトリコモナスなど、細菌以外の病原体を調べる検査が含まれます。
カンジダによる感染は、白くポロポロとしたカッテージチーズ様のおりものや強いかゆみが特徴です。
抗菌薬の使用後や免疫力が低下しているときに発症しやすく、再発を繰り返す方も少なくありません。
トリコモナスは、原虫による感染症で、黄緑色の泡立ったおりものや、強い悪臭を伴うことが多く、性行為での感染が主な経路です。
これらの症状から感染症が疑われる場合は、一般細菌検査とあわせて実施されることが多い検査です。
おりもの検査の結果

おりもの検査は、種類によって結果が出るまでの日数や結果の見方が異なります。
ここでは、おりもの検査の結果が何日でわかるのか、代表的な一般細菌検査結果の見方などを解説します。
検査の種類ごとに結果が出る日数が違う
おりもの検査は、検査の種類により結果が出るまでの期間が異なります。
| 検査の種類 | 結果が出るまでの目安 |
| 一般細菌検査(グラム染色) | 当日~翌日 |
| 一般細菌検査(細菌培養検査) | 数日~1週間 |
| クラミジア・淋菌(PCR法) | 数日~1週間 |
| カンジダ・トリコモナス | 1~3日 |
顕微鏡で直接観察するグラム染色は、当日診察室で結果がわかるケースもあります。
一方、培養検査は、採取した菌を培地で育てて特定するため、結果が出るまで数日〜1週間ほどかかります。
一般細菌検査の結果の見方
一般細菌検査の結果表には、聞き慣れない用語が並んでいて、どのような結果なのかわからないと不安になる方も少なくありません。
| 項目 | 意味 | 記載例 |
| pH | 膣内の酸性度。高くなると環境バランスが乱れている | 3.8~4.5(正常範囲) |
| 白血球(WBC) | 炎症の有無。膣内で炎症が起きていると増加する | 少数/中等度/多数 |
| 正常細菌叢 | 正常な膣内細菌バランスを示す。乳酸桿菌が優勢な状態が正常 | 1度(正常)~4度(乱れあり)※施設により表記が異なる場合がある |
| 検出菌 | 検査で見つかった菌の名称 | ガードネレラ/大腸菌/B群溶血性連鎖球菌など |
正常細菌叢の主体となるのは、デーデルライン桿菌と呼ばれる乳酸桿菌の一群です。
膣内を酸性に保つことで病原体の増殖を抑える役割を担っていて、この菌が減少するとpHも上昇する傾向があります。
また、検出菌として挙げられるのは、性感染症の原因菌ではなく、少量であれば経過観察となるケースもあります。
結果票の項目に異常ありと記載されていても、すぐに治療が必要とは限りません。
菌の種類や量、白血球の数、症状の有無を総合して判断するため、記載された内容だけで自己判断しないことが重要です。
結果が出たらどうする?
検査結果が出たら、医師に結果の説明を受けてください。
治療が必要な場合は、検出された菌や病原体に応じた薬が処方されます。
また、性感染症と診断されたら、パートナーも同時に検査や治療を受けないと再感染を繰り返すため、一緒に受診することが大切です。
経過観察となった場合も、症状が続いたり、変化が出たりしたときには、早めに医師の診断を受けてください。
おりもの検査の結果は、そのときの膣内環境について知るものであり、体調やホルモンバランスにより状態は変わります。
おりもの検査を受ける前に知っておきたいこと

おりもの検査を受ける際は、正確な結果を得るためにも、知っておきたいことがあります。
ここでは、おりもの検査のやり方や検査前の注意点などについて解説します。
おりもの採取のやり方
おりもの検査の採取は、医師や看護師が行う場合と、患者様自身が行う自己採取の場合があります。
医師や看護師が採取する場合は、診察台に横になった状態で、専用の綿棒を挿入し、膣壁をぬぐっておりものを採取します。
自己採取は、院内(トイレや個室)で行ったり、郵送サービスを利用し自宅で行ったりする方法があります。
専用キットの綿棒を膣口から数cm挿入し、中で回転させておりものを拭うのが基本的な手順です。
検査前に避けるべきこと
菌の検出に影響が出るため、検査前は以下のようなことを避けてください。
- 性行為:精液や潤滑剤が膣内に残っていると検査に影響するため、検査の当日~前日は避ける
- 膣内洗浄:調べるべき菌や分泌物が除去されてしまう
- 膣剤・クリームの使用:菌の量や種類が変化する可能性がある
- 生理中の受診:経血が混ざると検査結果に影響するため、原則として生理後の受診が推奨される
上記以外にも、疑問や不安がある場合は、事前にクリニックへ確認しておきましょう。
痛みや不快感について
おりもの検査の際、採取時の痛みが心配かもしれませんが、一般的には強い痛みを伴うことはほとんどありません。
膣内に綿棒を挿入するときに、軽い違和感がある方もいますが、採取自体は短時間で終わります。
ただし、もともと炎症が強い場合や、膣が萎縮しやすい方では、採取時に不快感を感じる可能性もあります。
閉経後の方は、痛みや不快感について、事前に医師に相談しておくとよいでしょう。
また、緊張すると膣の筋肉が収縮するため、リラックスした状態で受けると負担が少なくなります。
おりもの検査の費用目安

おりもの検査にかかる費用は、保険が適用されるかどうかと、検査の種類によって変わります。
受診前に、おおよその費用目安を把握しておきましょう。
おりもの検査は保険適用?
おりもの検査は、症状があって医師が必要と判断したときは、保険適用となります。
おりものの量が増えた、においや色が気になる、かゆみや痛みがあるといった自覚症状をきっかけに受診した場合は、基本的に保険診療の対象です。
一方、症状がなく、自己判断で検査を希望する場合や、性感染症の不安から調べたいケースでは、自由診療で全額自己負担になる可能性があります。
同じ検査でも、保険が適用されるかによって費用が変わるため、受診前に確認しておきましょう。
おりもの検査の費用目安
保険適用の場合は、3割負担を前提にすると以下が費用目安です。
| 検査の種類 | 3割負担の費用目安 | 自由診療の費用目安 |
| 一般細菌検査 | 約1,000~2,000円 | 約3,000~5,000円 |
| クラミジア・淋菌検査 | 約1,500~3,000円 | 約5,000~10,000円 |
| カンジダ・トリコモナス検査 | 約1,000~2,000円 | 約3,000~6,000円 |
これらは、あくまで検査のみの費用目安です。
複数の検査を同時に行う場合は、検査数分の費用が加わるとは限らないため、クリニックへ確認してください。
また、診察料(初診料・再診料)はクリニックごとに設定が異なり、実際の窓口負担は別途かかります。
おりもの検査についてよくある質問

おりもの検査は、受ける場面が限られる検査のため、わからないことが多く不安な方もいます。
ここでは、おりもの検査についてよくある質問をまとめました。
Q.おりもの検査はどこで受けられますか?
おりもの検査は、基本的には産婦人科・婦人科で受けられます。
また、性感染症検査を受け付けている科(性病科や泌尿器科など)でも受けられる場合があります。
対応している診療科であれば検査を受けられるため、かかりつけ医や通いやすいクリニックを選びましょう。
ただし、対応している検査内容はクリニックにより異なるため、事前に確認が必要です。
Q.おりものの異常の自覚症状がなくても検査は必要ですか?
自覚症状がなくても、検査が必要なケースがあります。
例えば、クラミジアは感染していても自覚症状がほとんど出ないため、検査で発覚する方も多いです。
パートナーが性感染症と診断された、妊娠を希望している、妊婦検診のタイミングなどで、症状の有無にかかわらず検査を受けることが推奨されます。
Q.おりもの検査で病気が見つかったら、パートナーにはどう伝えたらいいですか?
性感染症と診断された場合、パートナーへの告知は心理的にハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし、相手の健康を守るためにも、きちんと伝えることが重要です。
うつした・うつされたの責任の所在ではなく、一緒に検査や治療を受けてほしいという形で話すと、パートナーにも受け入れてもらいやすくなります。
どうしても伝えにくい場合は、医師に相談してみてください。
性感染症には自覚症状がほとんどないものも多いため、パートナーが感染に気付いていないケースも少なくありません。
同時に検査・治療を行わないと、治療後に再感染するピンポン感染が起こる可能性が高まります。
なお、お互いの治療が完了するまでは性行為を控えることが、再感染防止の基本です。
Q.おりもの検査と細胞診は何が違いますか?
おりもの検査は、膣内や子宮頸部に存在する菌や病原体を調べる検査です。
一方、細胞診(子宮頸がん検診)は、子宮頸部の細胞を採取して、がん細胞や前がん状態の異常がないかを調べます。
検査方法はおりもの検査と似ていますが、別の検査です。
調べる対象が異なるため、どちらかを受けても、もう片方の検査の代用にはなりません。
子宮頸がんは早期発見によって治療が見込める病気のため、おりもの検査とは別のものとして、それぞれを定期的に受けることが大切です。
まとめ
おりもの検査は、一般細菌検査・性感染症検査・カンジダやトリコモナスの検査などの種類があり、状況に応じて医師が必要な検査を選択します。
数値や自覚症状などを総合して判断し、すぐに治療が必要とは限らないため、医師の説明を受けることが大切です。
おりものの変化が気になるとき、症状がなくても感染リスクに心当たりがあるときは、早めにクリニックを受診しておりもの検査を受けてみましょう。
高村医院は、院長が診察を担当し、産婦人科を含む幅広い医療に対応しております。
おりもの検査・性感染症検査は、患者様の状況に応じて、適切な検査をご案内いたします。
おりものに異常を感じている方、検査が必要なのか迷っている方は、ぜひ高村医院へご相談ください。
